自分の指した将棋などで考えたこと参考になったことなんかをメモしていきます。
night walkerのメモ帳
スポンサーサイト
-----------  CATEGORY: スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ページトップへ
理念を持った駒組みについて
2006-07-21-Fri  CATEGORY: 雑記
将棋の駒組みは当然ではあるが、非常に難しい。
それを少しでも分かりやすくするのために、
それぞれの戦形の理想形をいくつか頭の引き出しにいれておくのがよい。
定跡とは、自分のほうの理想形の実現、そして、相手の理想形の阻止するという手順の集大成である。
藤井システムなどはその好例。王位戦の第1局の場合、穴熊に組みたい先手、
それを阻止する後手、さらにそれを見て急戦策に切り替える先手。
相手の理想を阻止して駒組みを進めているのがお分かりいただけようか。

ある程度以上のレベルを「本当に」目指すのであれば、序盤の一手一手から、
「この手はこういう意味だ」といえるようにしたほうがいい。
理念を持って駒組みをするということは、理想的な駒組みを狙って、
一手一手に緊張感をもって指すということでもある。
「なんとなくこう指した」では、一手一手の重みがなさ過ぎる。

さて、理念を持って指すという観点でいいサンプルがあります。
先日行われた、朝日オープンの将棋をサンプルに考えていきます。
両対局者が何を考えていたかは分からないので、完全に主観で書きます。
Kさんダシにしてしまってすみません。

まず、第1図。
1.gif


ここで、△4三金右▲3五歩△同歩▲同角△3四歩▲4六角△7三銀▲3六銀となれば、
理想的な構えになり、これは先手の作戦勝ちといわれる。
よって、第1図では△6四角と上がり、▲3五歩の交換を阻止する手が主流となっている。
だれでも知っている手であるが、このように相手の理想形を考えて、
それを効率よく阻止するかは大事なのだ。

しばらく進んで、第2図。
2.gif


ここは作戦の岐路となる。互いに自分の理想形を念頭に入れながら、
相手の陣形から想定される陣形を阻止する駒組みを考えていく。
先手から見たときに第2図からは参考1図や参考2図、参考3図など、
大きな枠組みで3?5個、小さな枠で10個以上の理想形が想定される。
sankou1.gif

sankou2.gif

sankou3.gif


また後手から見たときには参考4図や参考5図、参考6図などが想定できる。こちらも同じように10個以上の理想形が考えられる。
sankou4.gif

sankou5.gif

sankou6.gif


実戦は第2図で▲1六歩△9四歩▲2六歩△9五歩▲1五歩△5三銀▲3八飛△2四銀と進んだ(第3図)。
3.gif


後手は「ある形」(具体的にはどういう形かは言えないし、仮に言えても言うのはナンセンス)を拒否するための「最強の」駒組みである。
「最強」とは「最善」ではなく、一番突っ張った手順のことである。
これがそのまま通れば、後手番としては大いに満足のいく駒組みとなる。
通らなければ、どこかに不満が残る駒組みになる可能性が高い。
ハイリスクハイリターンというやつだ。

S六段は▲2五歩と突いた。これが結果的に勝因であった。
△同銀は銀を殺しに来られると、非常に危険。
よって△3三銀と引いたが、先手は▲1七香と参考3図のような駒組みを目指す。
▲1八飛と回れればと先手の▲3八飛?▲1八飛は1手損なのに対し、
後手の△2四銀?△3三銀は2手損。これでは今までの駒組みがおバカさんになってしまう。
理想形をいくつも用意して、そのうちの1つを阻止すれば、別の理想形が待っている。
二段構えの駒組みになっているのがお分かりだろうか。

最強の手順を続けている後手は△9三桂と跳ねる。
この手は本当は△7三角の形でやりたいところだが、
銀の動きで二手損しているので、△7三角は間に合わないと見た。
次の▲6五歩?▲6六銀が△9三桂を咎めた機敏な構想(第4図)。
4.gif


後手の理想形はどちらかというと先攻よりはカウンターを狙うのに適しているため、
このように攻めてきなさいと言われると困るのだ。
本譜は攻めていったが、悪い意味で軽い形。
後手がこのような形で攻める場合、
参考6図のように5筋の歩を交換して5四銀型ができていないと、
腰の入っていない攻めになりがちだ。
つまり、先手は▲1七香から▲1八飛の攻めを見せることで、
本当はの意味は、「後手に無理攻めを強いる」ことなのだ。
その一手一手の駆け引きの妙を味わっていただきたい。

本譜は入玉含みに手厚く受け止められて大敗を喫してしまった。
序盤の作戦選択から中盤の入り口に入るあたりまでの指し方は、
「気づかないうちに差をつける」(森下卓九段)という矢倉の極意を見せたような手順だった。
実にプロらしい良い将棋であった。
スポンサーサイト
ページトップへ  トラックバック0 コメント0
コメント

管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
TB*URL

<< 2017/09 >>
S M T W T F S
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30


余白 Copyright © 2005 night walkerのメモ帳. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。